6月26日に、さくら会「初任者研修」が行われました。今回の対象職員は8名で、さくら会の歴史や、障がい福祉制度、虐待防止・権利擁護などにつき、皆さん真剣に受講されました。
~受講者の研修報告です。~
今回の研修で最も印象に残ったことは、「虐待防止・権利擁護について」の講義でした。特に、虐待を防止するための環境をいかに整えていくかという取り組みについて大変興味を覚えました。
さくら会が講習会や研修会を開いたり、ミーティングを開いたり、また、東京都など外部機関が主催する研修に参加するなど組織として積極的に取り組んでいる様子が伺えました。そうした機会を持つことで、職員自身が自分の状態を客観視しやすくなるように思います。
また、虐待の要因になりやすい利用者の「問題行動」については、心理テストや医学的な診断に基づく障害特性、生育歴、現状を知ることによって対応をしていけることが説明されました。
それは、「そもそも問題行動なのか?」という見地を支援者側に提示されたように思いました。支援者の側からの観点のみで「問題行動」と判断せず、利用者の環境を工夫・調整することで修正していける場合もあります。利用者一人ひとりの個性を尊重した環境調整の大切さを改めて感じました。
一方で、利用者のセルフモニタリングをスキルとして進めていくことも、虐待防止のために大切なのではないかと思いました。自分の感情と距離を取ることは、自分を俯瞰する力となります。そしてそれは、生きていく力へと繋がっていきます。また、職員にとっても、利用者との共通のツールを持つことができ、利用者理解を深められるのではないかと思いました。
人は人との関係性によって学び、育まれる生き物です。しかし、同時に「私は私」であって、「あなた」ではありません。「自分にとっての常識」が他者にとっては決してそうではないことに気付くこと。「よかれ」と思っての行動が相手を傷つけてしまう場合があること。そうした意識を持っておくことが、支援者にとって、とても大切であると思います。
常に自分自身を俯瞰し、職員同士の連携を深め、組織を風通し良くしていくことが、さくら会の基本理念の一つである「利用者主体の支援」に繋がっていくと思いました。
衛藤 由麻(事務局)